教育内容

初級 (指導曲集1巻~3巻)

一日の生活イメージ

まずは弓の持ち方から始めます。親指を曲げて弓を挟んで中指と向き合わせます。手首が下がったり固くならないように、また小指が弓を押さえつけないように気をつけます。全弓やスタッカート、音の強弱などに気をつけて各曲を繰り返し練習します。

教室では予習よりも復習を重視します。既に習った曲をどれだけ立派に弾けるかが上達の秘訣です。頭だけではなく全身で曲を覚えるためには反復練習が必須で、暗譜ができる位まで繰り返し練習します。

2巻から音階教本を始めます。最初はイ長調の2オクターブから音階、分散和音、半音階などを学びます。

曲の中で音程がよく合わない場合は、音階をたくさん練習して耳とともに左手の形が覚えるまで繰り返し練習します。

3オクターブの音階に入り、ポジション移動を覚えます。生徒さんがこれを難しく感じるときは無理せず2オクターブを続けます。

ポジション移動を覚えた辺りからヴィヴラートを学びます。ヴィヴラートでは各指の第1関節の伸び縮みと親指の柔軟性、肘の動きなどに気をつけます。最初は音階を用いて、その後徐々に曲で使えるように練習します。


4巻以降に進むためには1巻~3巻までの全ての曲をしっかりと弾けることが大切です。3巻がよく進まない生徒さんは1、2巻の曲がよく弾けてないことが多く、その場合は1巻に戻って復習し直します。


中級 (指導曲集4巻~6巻)

体験学習イメージ

この辺りからカイザー練習曲に入ります。4巻を突破するためには読譜力が必要で、音源のない(今はCDもあるようですが)練習曲を一から譜読みすることで読譜力を養います。3巻まで耳コピ―で弾けた生徒さんも4巻以降を読譜力無しで進むことは、能力の高い生徒さん以外は普通に困難です。

中級の生徒さんは、ザイツ、ヴィヴァルディ、バッハのドッペル協奏曲など3巻に比べると難易度が一気に上がります。ここを通過するためには本当の実力が必要で、そのためには特に3オクターブの音階や3度から始まる重音の音階などで耳とともに音程の力をつける必要があります。

6巻のラ・フォリアが終わる頃には重音にも少しずつ慣れてきます。右手については弓の先から元までどの部分も偏りなく使えることが大切で、常にいい音で弾くことを意識することで徐々に音に厚みが増し表現力もついてきます。

重音奏法については難しいですが、右手と左手のバランスを意識しながら根気よく練習することが大切です。バイオリンが好きになるためにはこの習得が一つのカギとなり、重音が弾けるようになると練習が楽しくなってきます。


上級 (指導曲集7巻~8巻以上)

英語学習イメージ

 上級生に求められる技術はますます高度になります。音階は4オクターブ、3度~10度までの重音、ハーモニクスなどあらゆる種類を練習します。ハーモニクスについてはハイフェッツやシェフチークの音階教本も使います。

スタッカート奏法については練習方法はいろいろあると思いますが、教室ではダブルハーモニクスの練習後にリコシェ、スピッカート、サルタートなどを練習します。どれも弓と弦の接触点、また右手親指のコントロールが習得のカギとなります

8巻終了後、初めはモーツァルトの協奏曲イ長調、バッハの協奏曲ホ長調、クライスラーの小品などを用いて演奏力、表現力、解釈力などを深めていきその後はさらに高度なソナタや協奏曲などを学びます。

ヴァイオリンを得意にする秘訣は、必ず弾けるという強いポジティブな信念と弾けるまで練習する粘り強さ、さらに直感力と想像力で、決して諦めない姿勢が何よりも大切です。